男性生徒たつや
きりゆー
あいつと出会って3年。半年前にプロポーズして、ついに今日結婚式を迎える。
夏の海で出会った女の子
夏。彼女のいない俺は楽しいことなんて一つもない。出会いを求めて、マッチングアプリなんてやつも登録してみたけど、いまいち信用ならないし。あぁそうだ、海行こう、あいつら呼んだら来るだろ。
きりゆー
仲のいい地元のやつ2人に電話したら、やっぱり食いついてきやがった。週末、地元の海水浴場に行くと人が大勢いて、女の子グループに声をかけてみるけど、遊んでくれそうな子がなかなか見つからない。
「俺ちょっと、タバコ買って来るわ」
そう言って近くのコンビニまで歩いて行こうとしたら、こんな暑い日に長袖の服を羽織い、帽子を深くかぶって見るにも暑苦しい女の子が海を眺めていた。
「なにしてんの?暑くないの?」
思わず声をかけてしまい、こちらを見たその女の子はすごく色が白くて、可愛らしい顔、ドキッとした。
「あ、私、日光がダメで。でも波の音が好きだから、たまに聞きに来るんです。」そう言って微笑んだ。タバコを買って戻ると、もうそこにその子はいなかった。
二ヶ月ほど経ち、配達の帰りに海の近くをたまたまトラックで通りかかった時、ふとあの子の姿が目に入った。トラックを止めて、近づいてみる。
「また、波の音ききにきたの?」
「あっ、前もここで会いましたね」
それから2人で浜辺に座って、お互いのことを色々話した。彼女は体が弱くて、自宅でできるライターの仕事をしているらしい。
この海で二度も出会えたことが、俺には偶然に思えなかった。
その日を境に俺たちはよく会うようになった。
彼女のウエディングドレス
式当日まで、恥ずかしいからってドレス姿を見せてくれなかった。初めて見た彼女のウエディングドレス姿に、声が出なかった。めちゃくちゃ綺麗だ。
泣いてる親の姿を見て、思わず目がうるんだ。照れ臭そうに見つめあいながら、腕を組む。あの日海で出会えて、この日を迎えることができて本当に良かった。
きりゆー
男性生徒たつや
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